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適応障害

気分が晴れない、食欲が出ない、吐き気がする等うつ症状が出ているが、いわゆるうつ病とまでは言えない場合に使用される病気の名前です。
職場や家庭、近所付き合いにおいてこれまで経験したことのないような強いストレスが加わることで引き起こした苦痛が、正常な苦痛を超えたもの、または機能障害を引き起こしている場合に使用されることが多いです。
ただし、正常範囲のストレス反応をこの病名を使って呼ばれてしまうことがあります。

一般的には短期的なストレス反応によって引き起こされ、心身の不調やうつ症状が現れることがあります。ただし、適応障害は、うつ病や不安障害とは異なり、その原因となるストレス要因が解消されると、自然治癒することが多いとされています。

適応障害の症状は、個人によって異なりますが、気分の落ち込み、興味喪失、食欲不振、睡眠障害、疲れや倦怠感、集中力低下、イライラや怒り、不安感、体の不調(頭痛や胃痛、肩こりなど)などが見られることがあります。これらの症状が、職場や家庭、近所付き合いなどのストレス要因によって引き起こされた場合に、適応障害と診断されることがあります。

症状

適応障害はストレスによって引き起こされる疾患であり、個人差があるため、症状も人によって異なることがあります。

以下に、一般的に見られる適応障害の症状をいくつか挙げます。

  • 気分の落ち込みや沈んだ気分
  • 興味喪失ややる気の低下
  • 疲れや倦怠感、エネルギー不足
  • 食欲不振や体重減少
  • 睡眠障害(寝付きが悪くなる、途中で目が覚めるなど)
  • 集中力低下や記憶力低下
  • 身体的不調(頭痛やめまい、胸の痛み、肩こり、腹痛など)
  • イライラや怒り、不安感、落ち着きのなさ
  • 社交性の低下や人と接することが苦手になる

 

原因

適応障害の原因は、さまざまなストレス要因によって引き起こされます。適応障害は、一般的に、短期的かつ強いストレスが長期間にわたって続くことによって発生します。以下に、適応障害を引き起こす可能性のあるストレス要因の一部を挙げます。

・職場ストレス 仕事に関するストレスは、長時間の労働、責任の重圧、組織内の対人関係の問題、経済的なプレッシャーなど、さまざまな要因から引き起こされます。

・家庭内ストレス 家庭内ストレスは、配偶者や家族との不和、子育てのストレス、家庭内の財政的問題、身内の病気や介護など、さまざまな要因から引き起こされます。

・個人的ストレス 個人的なストレスは、健康問題、人間関係の問題、将来に対する不安、過去のトラウマや経験など、さまざまな要因から引き起こされます。

以上のように、適応障害は、職場や家庭、個人生活での様々なストレスによって引き起こされることがあります。ストレスに対して適切に対処することができる場合には、適応障害を回避することができるかもしれません。

 

診断

これらの症状が、一定期間続いた場合には、適応障害と診断されることがあります。また、適応障害は、うつ病や不安障害とは異なり、ストレス要因が解消されると症状が改善することが多いとされています。

DSM-5  適応障害は以下のような診断基準に合致する場合に診断されます。

  1. 期間が長くないストレスに暴露された結果として、以下のいずれかまたは複数の症状が現れること。
  • 高いストレスレベル
  • 抑うつ的症状
  • 不安的症状
  1. 症状が明らかに適応障害に伴うものであり、ストレス反応が適応外かつ明らかに過剰であること。
  2. 他の診断基準を満たす障害がある場合は、その障害の影響を排除する必要があります。

診断の際には、患者の主観的な報告だけでなく、家族や医療従事者からの情報が重要です。また、適応障害の診断を確定するためには、他の精神障害や身体的疾患などの診断を除外するための検査が必要になることがあります。

治療

・カウンセリング

カウンセリングは、ストレスに対処するためのスキルを身に付けたり、ストレスを軽減するための方法を学ぶことができる方法です。具体的には、認知行動療法や対人関係療法などが用いられます。カウンセリングは、個人セッションやグループセッションなどで行われる場合があります。

・心理教育

心理教育は、ストレスが引き起こす身体的な反応やストレスの対処方法についての知識を提供することで、ストレスを緩和することを目的とした治療法です。心理教育は、カウンセリングと併用することが多く、ストレスに対する適切な対処方法を学ぶことができます。

・ストレス管理技術

ストレス管理技術は、ストレスを軽減するための方法を学ぶことができる治療法です。具体的には、深呼吸や瞑想、リラクゼーション法、マインドフルネス瞑想などが用いられます。これらの技術を身に付けることで、ストレスを軽減することができます。

・薬物療法

薬物療法は、抑うつ症状や不安症状を軽減するために使用されます。主に抗うつ薬や抗不安薬が用いられます。薬物療法は、カウンセリングやストレス管理技術などと併用されることが多く、より効果的な治療効果が期待できます。

 

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