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睡眠障害(不眠症他)

睡眠障害の中で不眠症は世界の多くの方にみられるかつ深刻な問題です。特に高齢になると悪化する傾向にあります。
病気でないひとでも眠れないことはありますが、眠れないことで気分がすぐれず、体調を崩してしまったり、場合によっては精神的に不安定になってしまうことがありますので、症状が重い場合には治療が必要となってきます。
不眠症はどんな方でも起こりうる身近な疾患であると同時に、その中には特殊な睡眠障害があり、様々なタイプに分かれ治療法も大きく異なってきます。

症状

睡眠障害の原因は複数ありますが、代表的な疾患として以下のものがあげられます。

  • むずむず足症候群(レストレッグス症候群、下肢静止不能症候群)
  • ナルコレプシー
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 概日リズム睡眠障害
  • 睡眠時随伴症
  • 特発性過眠症
  • 周期性四肢運動障害

睡眠時無呼吸症候群

夜眠っているときに上気道がいくつかの原因で閉塞することで通常呼吸が障害されてしまう病気です。
結果として睡眠時にいびきをかく、一時的に呼吸が止まっている無呼吸が起こります。(正確には閉塞性と中枢性に分かれます)

また代償性に血液が濃くなりHb(ヘモグロビン)の値が高くなることがあります。

症状

いびきをかく、呼吸が一時的に止まる(無呼吸)が典型的な症状ですが、その結果として十分な睡眠が取れないことで

  • 日中の眠気(知らないうちに眠ってしまう)
  • 血圧の上昇
  • 血液検査でのHbの上昇
  • 集中力の低下
  • うつ症状

などが起こり得ます。
特にうつ病の原因として睡眠時無呼吸症候群を考慮に入れておくことはとても重要です。

診断

DSM5の診断基準を用いることがあります。
また脳波、心電図、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)を行う場合がありますので、必要な場合には提携する医療機関をご紹介させていただきます。

治療

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の場合には減量を行っていただき必要な場合にはCPAP(鼻腔持続陽圧呼吸)が用いられます。鼻の手術をする場合もございます。ほかにマウスピースの使用や鼻チューブを挿入することがあります。
眠れないからと言って睡眠薬であるベンゾジアゼピン系薬物を使用すると、副作用である筋弛緩作用のため症状を悪化させてしまうことがありますので、薬物の使用は慎重に行う必要があります。

 

心療内科 精神科  五反田こころのクリニック  五反田駅前

むずむず脚症候群(レストレッグス症候群)

夜中にベッドに入ると脚がむずむずして眠れない、そんな経験はもしかするとどなたにでもあるのかもしれません。
しかしそれが毎日起こることで睡眠が障害させてしまうことがあります。その原因の一つとしてむずむず脚症候群が考えられます。

これに似た疾患で周期性四肢運動障害があります。

原因

原因ははっきりわかっておりませんが、以下のもの等が考えられています。

  • 鉄欠乏性貧血
  • 慢性腎不全
  • 胃切除後
  • 葉酸欠乏
  • 抗うつ剤内服
  • パーキンソン病
  • その他

症状

脚にむずむずするような不快な、時には痛みに近い異常感覚を覚えます。脚を動かすことで症状が緩和されるため結果として歩き回ったり、さすったりする行動となることがあります。その結果として不眠が増悪し体調の不調につながります。

診断

DSM5(抜粋)
脚を動かしたいという強い欲求は、通常、落ち着かない不快な下肢の感覚を伴い、またはそれに反応しており、以下の特徴のすべてを有している。

  1. 脚を動かしたいという強い欲求は、安静時または低活動時に始まるか、増悪する。
  2. 脚を動かしたいという強い欲求は、運動することで、部分的または完全に改善する。
  3. 脚を動かしたいという強い欲求は、日中より夕方または夜間に増悪するか、または夕方または夜間にしか生じない。

これらの症状は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、教育的、学業的、行動的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

診断基準や病歴をもとに総合的に診断をしていきます。
また終夜睡眠ポリグラフ検査、アクチグラフなどを用いることがあり、必要に応じて関係医療機関をご紹介させていただきます。

治療

内服治療を行います。

  • 中枢性ドパミン作動薬
  • 抗けいれん薬
  • GABA誘導体

心療内科 メンタルクリニック  五反田こころのクリニック  五反田駅前

ナルコレプシー(過眠症)

日中の極度の眠気と、重要な会議や歩いている途中でも眠ってしまうような睡眠がある場合にはこの疾患の可能性があります。ヒト白血球抗体のHLA-DR2が陽性であることが多いです。

症状

以下の症状が見られることがあります

  • 重要な局面や食事中でも眠ってしまう
  • 強い情動的な刺激が加わると突如姿勢を支える筋肉の脱力が生じることがある(情動脱力発作)
  • 入眠時に誰かが知らない人が歩いている音がする等の幻聴や気味の悪い人形が見える等の幻視がみられるような怖い体験をする(入眠時・出眠時幻覚)
  • 起床時や入眠時に手足や頭を動かせない、声がでないことがある。(睡眠麻痺)

診断

DSM-5(抜粋ですのでご注意ください)
睡眠障害は大きく分けると不眠症、睡眠関連呼吸障害、過眠症、概日リズム睡眠障害、睡眠時随伴症、睡眠関連運動障害、その他の睡眠障害に分類できます。
睡眠障害の中で最も症状が多いのが不眠症です。日本だけに留まらず、ヨーロッパやアメリカなど世界各国で深刻な問題となっています。不眠症は夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状です。
日本においては約5人に1人が、このような不眠の症状で悩んでいるといわれています。不眠症は、小児期や青年期にはまれですが、20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加します。
また、男性よりも女性に多いといわれています。

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